財産分与 ~離婚による不動産名義変更と住宅ローン~

 

離婚により、自宅不動産を夫から妻に名義変更したい、というご相談をよくお受けします。

離婚に際しては、「離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」と民法で規定されています。

自宅不動産を財産分与の対象とした場合、財産分与を原因として不動産の名義変更登記手続きが必要となります。

 

財産分与の登記(目次)

必要書類

財産分与の登記に必要となる書類は、下記のとおりです。

 

財産分与をする方

  • 不動産取得時の登記済権利証(登記識別情報通知)
  • 印鑑証明書(取得後3か月以内のもの)
  • 委任状(当事務所が作成します)
  • 登記原因証明情報(当事務所で作成できます)

 

財産分与を受ける方

  • 住民票
  • 戸籍謄本(離婚日の確認のため)
  • 委任状(当事務所が作成します)

 

手続きにかかる期間

登記を申請してから完了するまで、平均して1週間から2週間ほどお時間がかかります。

(法務局の混雑状況により、かかる日数が前後します)

 

住宅ローンがある場合

では、自宅に住宅ローンが残っている場合はどうなるのでしょうか。

例えば、このようなご相談。

 

「現在住んでいる自宅マンションは、夫の名義です。そして、まだ夫名義の住宅ローンが残っています。離婚にあたって妻の私が自宅をもらいたいと思っています。ローンはどうなりますか。」

 

考えられる方法としては二つございます。

  1. 夫に一括払いをしてもらう、もしくは夫が今後もローンを支払うよう取り決めをする
  2. ローンの負担付のまま妻に名義変更し、以後妻がローンを支払っていく

 

1.夫が一括払いをする、もしくは夫が今後もローンを支払っていく場合

自宅を財産分与の対象とする場合、まだ購入時に借り入れたローンが残っていることが多く、このローンをどうするかが問題となります。

夫に一括払いをしてもらえるのであれば、それに越したことはありません。しかしながら、実際には困難なことが多いでしょう。

離婚時に夫が今後もローンを支払っていくという合意をすることも考えられます。その際は不払いの危険性に備えて、支払いの約束を公正証書か家庭裁判所の調停調書にすることが望ましいです。

しかしながら、夫が支払いをしなかった場合は、自宅に抵当権がついている関係で、自宅が競売にかけられる危険性があります。

 

2.ローンを妻が支払っていく場合

ローンの負担付のまま妻に名義変更し、以後妻がローンを支払っていくケースもございます。

住宅ローンの債務者の名義を妻に変更するには、債権者である銀行等の了解を得る必要があります。

債権者である銀行等の承諾が得られない場合は、いったん別の金融機関でローンを組んで、全額を返す「借り換え」の手続きも検討する必要があります。

しかしながら、収入の要件などで借り換えの審査が通らないこともあります。

 

夫との合意で、ローンの債務者は夫の名義のままで、妻がローンを支払っていくという取り決めをすることも可能です。しかしながら、妻がローンを支払わなかったときに、夫が支払わなければいけないという夫側のリスクが残ります。

 

 

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