
中国籍であるお父様が亡くなられたAさん。日本に父親名義の不動産があったため、相続による名義変更の登記が必要となりました。
なお遺言はなく、遺産分割協議により長男であるBさんに名義を変更したいとのご希望です。
中国人の相続登記の進め方
亡くなられた方が中国籍であった場合の日本における不動産の相続登記手続ですが、反致の規定により、日本の相続法によって処理することとなります。ただし、誰が相続人としての子にあたるかは、中国の婚姻法や養子縁組法を考慮して判断しなければならないので留意する必要があります。
今回は、次のように手続きを進めました。
1.必要書類の収集
お客様にもご協力いただき、日本・中国において、必要となる書類を取得いたしました。
主に必要となる書類は、以下の通りです。
・外国人住民票の写し
・閉鎖外国人登録原票の写し
・出生証明書
・婚姻証明書
・死亡証明書
・宣誓供述書
※どのような書類を、どれだけ収集するかについては、ケースバイケースです。可能な限りの書類を収集し、法務局と打ち合わせをしながら、準備を進めていきます。
2.書類の和訳
外国語の書面は、そのままでは法務局に提出することができません。和訳を作成して添付します。
なお、翻訳者の資格に制限はないため、誰が翻訳してもかまいません。
3.遺産分割協議
今回は長男Bさんが不動産を相続するため、相続人全員がその旨の遺産分割協議書に署名捺印をいたしました。
相続人が日本人の場合は、併せて印鑑証明書が必要となりますが、在外邦人の場合は印鑑証明書に代えてサイン証明書、在外外国人の場合は印鑑証明書に代えて本国官憲または現地公証人等による署名証明書(宣誓供述書)が必要です。